スポンサーサイト

--------

Tag :

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「貧困」はあったんだ(今更ながら)

2008-12-28

湯浅誠「反貧困~「すべり台社会」からの脱出」(岩波新書)
「反貧困」
野宿者(ホームレス)支援活動を行うNPO法人
「自立生活サポートセンター・もやい」を主宰する
著者による本です。
今の日本が
一度落ちると止まらない「すべり台社会」である現状を
実際の支援活動と
そこから得られるキーワードを基に
がっちり描き出してました。

社会という表現には
前から違和感がありました。
同じ世代の中で格が広がってるというよりは、
年配者には蓄えがあって
若輩者は暮らすだけでカツカツという、
世代間の不平等は
確かにあると思ってました。
この本を読むまで知らなかったのは、
日本には
なかなか抜け出せない貧困を
作り出すシステムが
しっかりできあがってしまっているという
現実でした。

著者は草の根の活動をしてますが
いわゆる左翼の活動家とは違います。
最近よくテレビで見かけますが、
非正規用から解された人たちを組織して
にわか組合の先頭に突然立ち上がる人たちは、
私からみると大いにうさんくさいです。
社会正義を名乗りながらも
(ピンハネしてるとはいいませんが)
そこを生活の糧にしている気がします。
「貧困ビジネス」をしている派遣会社
(の具体例がこの本にも出てきます)ほどではなくても、
分け前に預かってる気がしてしまいます。
(邪推とヤブ睨みだけかもしれません)。
また、今では弁護士も
不遇の人の味方をする人というより
そこにしっかりビジネスがあって
初めて仕事として成り立ってる印象です。
かつての左翼や庶民の味方は
なんだかもう信用できません。
結局目ざとい人がそこに食いついてきて
大きく報道されるきっかけにはなっても、
あまりその実状が大きく変わらないのでは、
という疑念を拭えません。

でもこの本の著者は
ひと味もふた味も違う気がします。
貧困から逃げ出せない人に対して
それは自己責任であるというすりかえを
著者は正面から批判します。
人間関係の「溜め」がない人たちに向けて
(独自の用語です。
 個人的なセーフティネット、といった感じかな)
生活保護受給支援を手がかりとして
生活再建を図るサポートを続け、
近年では
たすけあいネットワークを作ることに成功したようです。
また、生活保護が
国としての最低生活費を保証する制度になってないだけでなく、
そのレベルよりも低い収入で生活している人がいるという事実を基に
総費用を抑制しようとする行政の道具に使われている、
という事実を指摘し問題提起を各地で行っています。
とてもたのもしいです。

小泉改革によって格社会が作られたような
報道もありますけど、
それよりもずっと前から
なるべく生活保護の適用枠を狭めるために
窓口担当公務員が申請者に対して
拒絶問答を続けてたのは確かです。
予算がつかなくて総量抑制をしなければならないから
そういう対応が必要なんではないんじゃないかと。
もらったらもらい続けっぱなしになってしまう人
(中にはきっとこわい人もいるのでしょうね)に深く関わって、
もらい続けなくても済むように
サポートしてくしくみがないようです。
本当に必要な人に行き渡っているかを
例えば自治体ごとの相互比較を通して公平に評価できる
システムもないんじゃないかと思います。
そういうところにこそ
成果主義を導入してほしいもんだと思います。
オンブズマンが見張ってないと
できないシステムなんでしょうか。

人間関係の「溜め」がない、という表現は
描写・概念というより
実感に基づいたものなんだろうと思うので、
よく味わわないとつかめませんでしたが
なんとかついていけました。
今の40代以上の人の多くには
まだ「田舎(くに)」がありました(というのもイメージですが)。
今の30代以下の人には
もう帰れる「田舎」はないんですね。
頼られても困る基盤しか
地元に帰っても残っていないのが現状ですよね。
地元といっても親や親類が
たまたまそこに暮らしている(転勤してきてそこに住んでいるだけとか)、
というだけのつながりでしかないということに
ちっとも気づかず、
私は「田舎(くに)」にロマンを持ち続けたままだったんだと
実感しました(何しろ田舎がもともとないもんで)。
田舎がないから「自己責任」で何とかしないと、
そういう必要性が生じるのは
不本意ながらも受け入れないといけない面はあります。
とはいえ、本来ならば困窮した状況からの
脱出を導くためにあるはずの公的なセーフティネットが、
油断していると「貧困」に落ち込んでしまうように
作られている(仕組みになっている)、
という著者の提言には、反論の余地がないと思いました。
この本を読んだ限りでは全くその通りだと。

本文にも引用されていた、
東京新聞2007年3月25日の紙面に掲載された
「【生活図鑑】
 セーフティーネットの検証
 ほころぶ社会保障
 弱者にしわ寄せ(No.148)」
という特集記事がネットにありました。
著作権上、問題があるかもしれませんが、
下記にサムネイルを表示しますので、
よかったらクリックして詳しくご覧ください。
東京新聞.生活図鑑

日本には貧困がある、
という前提認識を忘れないようにしたいと思いました。
・・・もう少し冷静になって思うことがあれば、
それはまた改めて書いてみたいと思います。
何分にもうさんくさいので。
FC2 Blog Rankingにほんブログ村 科学ブログ 人文・社会科学へ人気ブログランキングへ
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : ワーキングプア(働く貧困層)
ジャンル : 政治・経済

コメントの投稿

非公開コメント

ようこそ

アクセスどうも

プロフィール

ito.tamuro

Author:ito.tamuro
生きてるだけで
気恥ずかしいのは
歳が増えても
抜けません

おもちゃ箱

点取り占いブログパーツ

助かる~リンク

わりと新しい記事

すこし新しいコメント

これでも新しいトラックバック

RSSフィード

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。