スポンサーサイト

--------

Tag :

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

乗る方に乗せられる方

2009-03-21

Tag : もぞもぞ

横森理香「ぼぎちん バブル純愛物語」(文春文庫)
「ぼぎちん」

楽しい小説は最近
読み進めるのがもったいなくなります。
ジェットコースターと同じで
終わってしまうのが惜しい感じです。
すっかり乗せられてる
(そしてそれを楽しんでる)ってことでしょう。
楽しんでるのは余裕でしょうが、
惜しむのは齢重ねた証かなと自省してます。

最新版は集英社文庫から再販されてるようです。
巻末の解説で文芸評論家の福田和也氏が
文庫化を絶賛してます。
福田氏が文春の絶版を嘆いたため
集英社での復刊につながった
という情報もネットにありました。

アマゾンでこの再販版のリンクを見ると
セットで購入を薦められる本があります。
前にレビューを書いた小説
白川道「流星たちの宴」(新潮文庫)
この小説は対をなしてます。
押しかけ同棲してた二人がそれぞれの視点から
ほぼ同じ時期(バブル)を描いてます。
読み比べる価値もあり
楽屋オチに気づく楽しみもあります。

有り難い知己から
それを知ってて授かった本です。
どうでもいい脱線(ゴシップ)ですが、
白川道さんと今一緒にいる(事実婚)のは
新潮45編集長の中瀬ゆかりさんだそうで、
古くは1997年に「噂の眞相」にスクープされてるそうです。
関連記事)。

・・・なかなか本題に入らず、
この記事が終わらないのは困りますね。
横道御免閑話休題、
端からみたら
なんでこんな男に?と思うような「ぼぎちん」に
ずんずん向かって惚れていく19歳の女子大生は、
自分に詳しく世間に疎く
立ち回りが巧いようでヘタで
健気で幼く、それなりにしたたかです。
福田和也氏が「ビルドゥングス・ロマン」
(=主人公の成を主題化する小説、の意とのこと)
とまで賞するのは
大げさな気がしますが、
の中に身を投じて
そこから自分を再発見するためにもがいている様子が
こんなに明るく可笑しく描かれているものは
見たことがないです。
他にない小説、という意味で
たしかに出色です。

内面の葛藤や生い立ちから来る課題を
破天荒な行動の結果として解決しようとしてるのに、
精神的に危なっかしい感じはほとんど受けません。
ご本人は至って真剣で
狭い世間には通じるスジを
一本通して暮らそうとしてるので、
一緒になってドキドキさせられる臨場感が
次から次へと伝わってきます。
間違ってるかどうかは別として
誰も止められない感じ。
ロデオ・ドライブというと今じゃビバリーヒルズの
高級ショップ・ストリートのことらしいですが、
じゃじゃ馬の鞍に乗っかって
一緒になって振り回されてる感じがします。
・・・それが楽しいなんて
やはりおじさん趣味ですかね。
醒めたら勝手に
「ぼぎちん」は棄てられてますし。

発射台に乗っかって遠くまで跳んで
メリーゴーラウンドの上ではしゃげるだけはしゃいで、
その後は冷静に自分探しを続け始めるところで
話は終わっています。
続編が読みたいかというと実はそうでもなく、
この時期だからこそ面白い
「イントラ・フェストゥム(祝祭の最中、永遠の現在)」
だと思うので、続きは「なし」でも充分です。

対比してみて面白いのは、
投資ジャーナルと豊田商事に関わっていた
アウトローな人を、
「流星たちの」では
カッコよく冷たく書いているのに
「ぼぎちん」では
情けなくあったかく書いているところに
あります。
読み比べする価値はありますよ。満足。
FC2 Blog Rankingにほんブログ村 本ブログ 読書日記へ人気ブログランキングへ
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 恋愛小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

ようこそ

アクセスどうも

プロフィール

ito.tamuro

Author:ito.tamuro
生きてるだけで
気恥ずかしいのは
歳が増えても
抜けません

おもちゃ箱

点取り占いブログパーツ

助かる~リンク

わりと新しい記事

すこし新しいコメント

これでも新しいトラックバック

RSSフィード

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。