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コギトを超えた!

2009-07-26

河野哲也「<心>はからだの外にある
 「エコロジカルな私」の哲学」(NHKブックス)

「心はからだの外にある」

哲学の古くて新しい問題「問題」を
理主義への批判を通して
今までなかった角度から解いて見せた本です。
少し前にコメントを書いた
あたらしい心の哲学と倫理学」って記事で
取り上げた本と同じ著者が書いてます。
感心したところが沢山あったので、
今回はひとつの記事にまとめられるか
まだちょっと自信ありません。

エコロジーって境に優しいって意味でしたっけ?
生態学って日本語と一緒に習ったのを
私はここしばらく忘れてました。
生き物と境の相互作用を研究する学問だったと思いますが、
人間だけが特別ではなくて、
食物連鎖とか境との依存関係によって
生かされている存在だって基本的スタンスが、
最近の境問題のとらえ方からは
抜け落ちてる気がします。

生態学的心理学、というのも同じスタンスを保ったまま
ヒトの知覚や心の働きを考えていこう
というものなんだそうです。
独善的でないのがいいですね。
生き物としての体と境との相互作用の中にあるのが
心である、という考えは、
境に優しいというのとは全く違う意味の
エコロジカルな私」という視点に結びつくようです。

精神と体は別物であるというデカルトの二元論を
何とか理屈で打ち破ろうと
(理屈抜きならとっくに打ち破ってますが)、
いくつか本を読んできましたが、
西田幾太郎、廣松渉、大森荘蔵の力を借りても
うまく太刀打ちしきれなかった。
それがこの本を読んだおかげで
やっとデカルトの心二元論を
無視して生きて行けるようになった
(おおげさな・・・)
気がしてます。
ついでに現象学についても
あまり気にしなくてよくなった気がします。
難しい言葉を並べて現象を記述する努力をしなくても、
体が分かってるからいいもんね
(今まだわかんなくても
 そのうちまた、わかるしぃ)
と、言い切れる感じで爽快です。

特徴的な論点を少し整理してみます。
「自分探し」と「パーソナリティの社会的有用性との関連」から見る
理主義とその背後に有る政治的意図を読み取る視点

産業社会を藪睨みしすぎじゃないかという感想も持ちました。
パーソナリティなんてホントはないでしょ?と言われると、
そこまで無理に言い切らなくても、と思いました。
ただ、色々な事柄を
(世の中のせいじゃなくて)
「こころの問題」
「個人の特性の問題」に
帰するように仕向ける「しかけ」を
理学者はたくさん用意してるけど、
それが、自分のことで精一杯で
世の中の仕組みを深く裏側も見抜きながら
考えてなどいられない、
という人々を大量生産する道具に使われてて、
批判精神を奪う道具を
せっせと世の中に送り出してることについては
あまりにも無自覚なままでいる、
という指摘には、
大いにうなずけるところがあるなと思いました。

私に「内面」はあるのか、自分の他に「他者」がいるのか、
いやそんなわけがない。

とは「内面」であると考えると、
哲学上の「他者問題」が生じます。
他人の「内面」がどうしてわかるのか、という問題です。
そうじゃなくて、
はからだの外にあって境といつも接してるでしょ、
その中で特に隠したいものだけが「内面」なんでしょ、
ということを、念入りに丁寧に記述してます。
話の展開が少し強引な気もするけど、
は内面にある、という考え方の構えが、
素朴な前提のように自分の中に巣食ってるんだなあ、
ということが、よく分かりました。

人はかけがえのない「個性」をもたなければいけない、
という強迫観念を持たせる政治的な意図が、
「障害は個性である」という教育上のテーゼに隠されている。

障害が個性だなんて、
なんて失礼な話だと前から思ってました。
もともと違和感を感じてたので、
これはすっきり入ってきました。
障害があっても生きにくくないように
境を変えてけばいいんですよね。
これも理主義(の一味)なんでしょうか。
そこはまだよく分かってません。
個人の問題に帰せようとする、
という方向性は確かに同じだと思いました。

「世界」は「私が表象したもの」なのか
この辺は哲学そのものの話なんで、
私にはちょっとどうでもいい感じなんですが、
幻影肢の例の考察が面白かったです。
なくなった手足があるように知覚してしまうのは、
幻を見ているわけじゃなくて、
テニスがうまくなると
ラケットが体の一部になるのと同じメカニズムで、
目に見える手足がなくなったとしても
体はまだその存在を知覚してるのだ
(視覚だけが知覚ではない)、
という考えです。
理屈じゃないところがいいです。
だってあるんだもん。まだ。
 
自分をむやみと変えようとしないで、
境に働きかけて境を変えていきましょう、
いい提案だと思います。
批判がないのは読み方甘いだろう?!
と自分にツッコミ入れつつも、
今はまあそんな感じでいいかなーと思ってます。
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