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人文科学からみた「世間」

2011-06-04

阿部謹也「「世間」とは何か」(講談社現代新書)
「世間」とは何か
図書館で借りた本に合わせて
古い装丁の画像を紀伊國屋書店BOOK WEBから
お借りしました。
今売っている新しい装丁だと、
いわゆる腰巻に
「日本社会の本質をえぐる歴史的名著」と
大きく書かれてます。
確かに、久々に読み応えのある新書でした。
日本の古典を読み解く深さから
著者の教養を感じました。
しばらくして、また読み返したいです。

まずは自分なりの感想から。

和歌に詠まれた「間」は
庶民の暮らしとかけ離れたところにあったのでは?と考え
記述に入れ込みにくいと思いました。
仏教における死後の救いと
では集団に人が埋没していることは
つながりがあるのかもしれません。

村人の罪を神様の判断に委ねる
鎌倉時代の審判制度は、
当時の納得性の高いしくみを表してて面白いです。
1週間以内に罰が当たらなければ無罪とか、
心がまっすぐならば熱湯に手を入れさせても大丈夫、
というような発想は
代合理性に照らせば荒唐無稽にも思えますが、
マスコミが容疑者や政治家を追及する
報道姿勢の奥底に今もきっと流れてます。

かなりページを割いてる
「徒然草」の文章には、
現代文と対照できる古文の副教材を
うんうん頷きながら読んだ記憶があるものが
いくつもありました。
著者は吉田兼好の視点に
人の萌芽をみてます。
貴族社会の「間」からそれだけ遠ざからないと
人の視点が持てなかったともいえますし、
視点を保ちたいから「世間」から遠ざかったともいえます。
高校の頃の自分もそうしたかったのかもしれません。

西鶴の小説をこんなにまとめて読んだのは初めてです。
歴史学者でありつつも、
その立場に囚われず自由に解釈してます。
予備校の教科書で問題文として読んだときは、
古典と現代文の中間で
かえってやりにくかった覚えがあります。
こんなに面白いなら(著者のように入院中とか)
流行りの「もう一度読みたい」シリーズのノリで
次々と読んでみたいと思いました。

漱石についての分析が
この本の核心(イイタイコト)であると思いました。
読んで分からないところはないんですが
もっとよく解るように
何度も読み返さないとまずい気がしました。
この問題に関して著者の考えが深いのだと思いました。
精神病跡学が漱石の病理を研究した結果とは
比べ物にならない位の深さを感じました。

そこから永井荷風、金子光晴と進むと
(自分がじっくり読んだことがないもんで)
洋行の経験と日本人としての感覚のギャップを扱う
実例(のバラエティ)としてしか理解できませんでした。

通して書いてみると
ちっとも咀嚼できてないのが改めて判ります。
はは、すみません。

よそさまのブログの書評にも書いてありますが、
この本には特に結論がありません。
章ごとのまとめはありません。
文献から仮説を検証するスタイルの記述もありません。
それぞれの文献に関する鋭い考察と
著者ならではの視点が示され、
唸りながらもそのまま放り出される
きわめて知的な本です。
まだ見ぬ思想家に巡り合えた感動がありました。
すでに他界されているのは残念です。

* 「世間」とは何か
 →この新書を高校の国語の教材として扱うと
  このようになるようです。
  ついていけてません・・・
阿部謹也『「世間」とは何か』
 →隠者文学の系譜、というまとめが新鮮でした。
「世間」とは何か?
 →論理性を欠いているなど、本書の奇妙な点を
  きちんと指摘されてます。
  でも魅力ある本なんですよね~
『「世間」とは何か』 阿部謹也 (講談社現代新書)〜世間=空気?
 →以前にもトラックバックさせて戴いたことのある、
  着想の豊かなブログの鋭い記事です。
  2ちゃんねらーに「世間」ありますよね。けっこう濃い。
  特に最、平均年齢が下がらない(上がってきた)印象と共に
  以前よりも強くそう感じます。
阿部謹也著:『「世間」とは何か』
 →こちらの記事によると次著「教養」とは何か、が
  「世間」とは何か(2)に相当するそうです。
  次著をすぐ読むかどうかはまだ分かりませんが
  読んでみたい、気はします。
  トラックバックいたします。
300旅 『「世間」とは何か』 阿部謹也 ★★★
 →私のブログが匿名なのも
  自分の世間を意識している訳ですね。
  羞心は「世間」にも深い結びつきがある気がします。

もうひとつ、感想として
「世間」は日本だけのものなんでしょうか。
アジアには他に「世間」のある国はないのでしょうか。
ないとしたら島国の特殊性が影響してるのでしょうか。
その辺は未解決のまま気になりました。
・・・あまりにまとまりがないので
そのうち、色々と書き直す気がします。
先に言い訳しておきます。
(追記)あちこちに手直しを加えました。
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