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医学が呑み込む(?)心理学

2008-03-01

岡田尊司「人格障害の時代」平凡社新書
人格障害の時代


殺人事件、嗜癖、虐待などの事件やニュースの裏に
報道されない背景として
人格障害という病理があるのだと説いている、
医療少年院に勤務する精神科医によって書かれた
解説と問題提起の書です。

人格障害の定義として自己愛(我執)の障害であることを指摘しています。
対象関係論の概念である抑うつポジションが前提としてあって、
その反動で出てくる躁的防衛が、嗜癖などの問題行動の発端であること、
対人関係における不安定さを含む症状や行動は、
その人のサバイバル戦略である、
ということを丁寧に説いています。
人格障害の人が増えている背景として、
社会倫理や躾の弱体化、
疑似現実・実存主義的価値観・資本主義の影響を
指摘するくだりについては
いちいち感心したり膝を打ったりして読み進めてました。

疑似現実の問題については、
どうしてこうもゲームばかりが槍玉にあげられるかと
普段から苦々しく思ってるもので、
その点ばかりが強調されるのは不公平だと思ってます。
資本主義という仕組みがもともとそういう装置を内蔵しているのでは。
虚構を大量生産・大量消費して生活のリアリティを奪っているのは、
モータリゼーションだったり高度情報化社会だったり
(金融工学、って言葉を知った時は、とてもうさんくさくてワクワクしました)
自己愛の幻想肥大をかきたてて付加価値によって消費を促す広告宣伝のあり方だったり
(やせすぎモデルはその典型かなと思ってます)
未成年の購買意欲をかきたてて親世代の消費を促す販売戦略の浅ましさだったり
(携帯電話が子どもから奪っているものの大きさはゲームの比ではないのでは?)
すると思ってますんで、
こうした指摘そのものが英断だと思いました。
珍しく暑苦しく語ってすみません。

実存主義的価値観が自己愛の肥大につながっている、
という指摘には目を拓かれた思いがしました。
実存主義的な世界観に重きを置いて暮らしている一方で、
自己実現、キャリア形成などの美辞麗句が
非凡でもない一般の人たちをいかに惑わせているかについても、
ずっと引っかかってます。
その源が実存主義的価値観にあると言われればその通り。
反論はないし、
自己矛盾を看過し放置してきた我が身に気づかされ
しばらくぼんやりと内省した次第です。

示唆に富んだ書籍に巡り会えた喜びをかみしめる一方で
読後にずっと引っかかって残っている違和感は、
(まだうまく言い当てる自信がないんですが)
これは結局、
パーソナリティの問題なのか、
障害の問題なのか、
治療可能な病理の問題なのか、
(社会現象として避けられないものなのか、)
その境目を整理して理解することができないんです、いつも。
パーソリナティ障害に関する本は何冊か読んだことが
(最後まで読んでないのも含めて)あるんですが、
いつもこのテーマが未解決のまままとわりついてます。
書いてあることはとてもよく分かるので、
自分なりには納得するんですが、
本を読んでわかったこと、
身近に接する人たちと関わって感じること、
それをひっくるめて自分なりの理解として伝えられるようになるには
まだ一番大切な要素が欠けてる感じなので、
うまくできません(よう言わん)。
ほぼ同時期に刊行された、同じ著者の別の新書も借りてきてるので、
そっちに書いてある治療・対処という面からの
著者の理解と取り組みを参考にしようと思います。
それで理解に厚みを持たせることができたら、
改めて宿題に取り組みたいです。
これでも今までの人格障害に関する本に取り組んだときよりは柄にもなく真剣ですし、
どうにかなるんじゃないだろうかと期待もしてます。

パーソナリティという概念には生理学的・生物学的な裏付けはない、と
揶揄されるばかりの時代が少し前にありましたけど、
(といっても蛸壺の中の嵐の話ですが)
脳科学の発展によってこれからは、
実証主義によるパーソナリティ理論が
形成されるのかも知れないと思い始めました。
その時には、理論や裏付けのとれるものととれないものと、
特性概念の取捨選択を経ることになりそうで、
この本に書いてある人格障害の分類や理解の奥にある枠組が
(今ひとつまだしっくり来ないのですが)
どこかでその話とつながってきそうな気がします。

仮定に仮定を重ねて、すぐ傾きそうな戯言になってきましたが、
きっとその時は、パーソナリティの心理学は姿を変え、
精神分析とも異なる精神医学の一部として
呑み込まれてしまうんじゃないだろうか、
と漠然とおもいました。
まあ、何言ってるかたぶんよく分からないと思いますが、
言ってる方もまだよく分かってないもので、
すみません。オソマツ
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